画家あれこれ8  new  2014.9.29

チューリッヒ美術館 クロード・モネ <睡蓮の池 夕暮れ> 1916-22 油彩 200*600cm
チューリッヒ美術館 クロード・モネ <睡蓮の池 夕暮れ> 1916-22 油彩 200*600cm

モネの睡蓮

 

いよいよ9月25日から始まった、

 

スイスが誇る、チューリッヒ美術館展。

 

印象派以降の名品が、ざくざく登場です。

 

 

 

今回の目玉は、モネの睡蓮。

 

なにせ、チラシの見開きにドン!

 

A3見開きリーフレット
A3見開きリーフレット

 

モネ(1840-1926)は、印象派の名前の元となった、

 

「日の出」を生んだ画家。

 

まさに美術界の中興の祖的存在です~。

 

日本でいえば、明治初期の出来事です。

 

 

 

モネ「印象・日の出」 1873年 油彩 カンヴァス 48x63cm パリ マルモッタン美術館蔵
モネ「印象・日の出」 1873年 油彩 カンヴァス 48x63cm パリ マルモッタン美術館蔵

 

世界中で大人気のモネの睡蓮。

 

パリ郊外に庭園を作り、そこで作家活動。

 

ガーデナーにとっては憧れの存在です。

 

http://www.rueabeille.com/voyage/haute-normandie/giverny/maison/maison.htm 画像元
http://www.rueabeille.com/voyage/haute-normandie/giverny/maison/maison.htm 画像元
国立西洋美術館 松方コレクション
国立西洋美術館 松方コレクション

 

淡い、光から生み出された色彩。

 

印象的なブルー。やわらかな白やビンク。

 

見るだけで ほわ~としてきます。

 

 

 

 

ところが、今回の作品。

 

もう一度みてみると。。。。
もう一度みてみると。。。。

 

 

なんだかイメージが違いませんか?

 

色が強くなり、闇との対比が全面に押し出され

 

底知れぬ沼から、赤と黄色が響き、

 

胸が痛くなり、動悸がしてくる感じ。

 

 

 

水の中に吸い込まれ、キラキラしてくる、

 

それまでの作品とは、明らかに違ってます。

 

 

ヒントは描かれた年代にありました。

 

1916-22年

 

モネの晩年70代後半の作品です。

 

 

実はこのころ、画家の命とも言うべき目が

 

白内障を患っていたのです。

 

1914年の書簡に、「赤が濁りはじめた」

 

と記されていると聞きました。

 

 

「バラの並木道 ジヴェルニー」1920-22  マルモッタン美術館蔵
「バラの並木道 ジヴェルニー」1920-22  マルモッタン美術館蔵

 

以前、パリ郊外のマルモッタン美術館で

 

バラの並木道、ジヴェルニー

 

を見た時、その異常な迫力に圧倒され

 

た事が蘇ってきます。

 

 

1923年、モネは白内障の手術を受け

 

色彩を取り戻し、1926年にこの世を

 

去ることになります。

 

カーネギー美術館には、1920-26年の

制作年の作品が残されています。

 

http://www.cmoa.org/fine-arts/
http://www.cmoa.org/fine-arts/
カーネギー美術館蔵
カーネギー美術館蔵

 

いつか見たい作品の一つです。

 

 

80歳-86才の間に描かれたという事も

 

驚きですが、

 

さらに、美術館の写真を見て二度びっくり。

 

大きい~!!

 

 

モネの絵は、

 

ただ前に立っているだけで、個々の色が持つ

 

浄化作用によって魂が心底癒される。

 

いつもそんな気持ちになります。

 

 

 

心も身体も魂もぜーんぶ元気になる。

 

まさに命の洗濯です~。