画家あれこれ12 2015.2.5 NEW
これだけ知っていれば結構イケマス シリーズ VOL.2
名場面集
<受胎告知>編
天使が結婚前のマリアに神の子を身ごもったと伝えるシーン。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作 <受胎告知>
西洋絵画の中で、
右側の赤と青の衣の女性。
左側に天使がユリを持っていたら
その絵は間違いなく
《受胎告知(じゅたいこくち》
です!!
20代のレオナルド・ダ・ヴィンチ
が描いた下の作品は、
2007年に日本でも公開され、
大きなポスターがあっちこっちに
貼られていたため、
見覚えがある方も多いのでは。
こちらは、≪ヴィーナスの誕生≫を
描いたボッテチェリの作品。
これも
これも
み~んな<受胎告知>。
若干の違いやグッズの違いは
ありますが、なんとなく
パターンが観えてきませんか?!
天使ガブリエルが白百合を
もっているところ。
天使には、羽が生えていて、
頭には
<天使の輪>が描かれています。
今から2000年以上前に、
大天使ガブリエル(天使の中
でも偉い)が神の子を宿したと、
結婚前のマリアに告げにくる、
“えっ えっ え~” の
とてつもないシーンです。
信仰を持っている方にとっては、
神聖な場面であり、
そうでないに方は、
大切にしている人が沢山いる場面
だな。と想像力を膨らませると、
遠い世界のお話も、
ちょっぴり身近になってくるかも。
西洋絵画は、キリスト教とは
切っても切れない間柄。
紐解いていくと、
色々な面が見えてきます!
さて、キリスト教の絵画には、
アトリビュートと呼ばれる
目印の品物が沢山あり、
いくつか覚えておくと
とても便利です。
例えば、恵比寿さまなら鯛とか。
米俵を持っていたら、
大黒様みたいな感じです。
持ち物検査みたいですが、
<受胎告知>で便利な
アトリビュートをご紹介。
<白百合>
古くは、キリストの象徴。
後に、白百合は聖母マリアの象徴になります。
花瓶にはいっている、白百合も時々あります。
<小窓>
奥の部屋の小窓は中世のマリアさま
の象徴
<庭にある塀>
聖母マリアの処女性の象徴
<オリーブ>
白百合が一般的になる前は、
オリーブや杖・棕櫚(しゅろ)
も聖母マリアの象徴として、よく用いられる。
オリーブは平和
杖は権威
棕櫚は処女性の象徴
<鳩>
聖霊
<本>
旧約聖書の預言書
<イザヤ書>を開いている。
このあたりを押さえると、
ちょっと捻った作品も
みえてきます~
ね!!
これを踏まえて、
お告げを受けた、マリア様の
表情をもう一度見てください。
それぞれの画家が、
時代が
伝えたい事が
きっと見えてきます!!
美術館や画集でもぜひ、
じっくり楽しんでくださいね。
みる人それぞれに、
様々な問いかけをする絵画ですが、
すべての存在の中で
主人公であるマリアだけが、
この後、起こる事を
何も知らない。”
という凄まじさに
信仰とは別の視点で
打ちのめされてしまいます。
2000年も経った後の世の
"あなた"も”私”も知っているのに。
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次回は、聖母マリアの青い衣についてです。
お楽しみに!