画家あれこれ 6 2014.7.27 NEW
やんごとなき方々の絵2 徳川慶喜公
やんごとなきもう御一方は最後の将軍、徳川慶喜公。
彼?!との出会いは昨年の日経新聞文化欄から始まります。
パッと目に入った写真の横に、
徳川慶喜・洋画家の文字がありました。
えつ?うそ~?何コレ?
慶喜公が描いたのーーーーおおおお????
この時ばかりは、静岡に飛んでいきました。
「将軍の油絵」は幕末から明治にかけて
日本に“油絵”の技術が入ってきた頃の貴重な作品。
明治の最高峰洋画家として、後の世で語られるのは、
実は慶喜ではないか。
そんな衝撃を受けたのを今でもはっきり覚えています。
このシュールさと、得も言われぬ色気。
パリ万博の翌年、1868年頃の作品です。
時代的にはヨーロッパで日本ブームがおこり、
印象派の幕開けといわれるモネの「日の出」(1873)が
生まれる5年ほど前に描かれた作品です。
注目は衝撃の制作年。1868年!!
そう明治元年ではありませんか。
絵の前で、しばし絶句。
徽宗の亡国。
慶喜公の無血開城。大政奉還。
それぞれの奥の奥に抱える物語が、
これほどリアルな作品はめったにお目にかかれません。
更に、キャプションに【素材 絹地に油絵】とあり、
絹地に油彩画を描いている私にとっては、震えがきました。
あれ以来、慶喜公にぞっこん!!